葬儀と習俗

〇野辺の送り

墓地または火葬場まで列を組み死者を送ることを「野辺の送り」と言います。

「野辺送り」「葬列」「渡御」とも言います。大正・昭和期に告別式が発生するまでは葬送儀礼の中心となっていました。

野辺の送りにはさまざまな様式がありますが、松明、提灯、六道を先頭にして、旗(銘旗)、龍頭、花籠、香炉、四華、膳、位牌、天蓋、柩などと続きます。葬列での役割は死者との関係によって決定されます。「善(縁)の綱」とは柩につなげた白い布のことで、これを手にするのは近親の女性や子どもが多かったようです。位牌を手にするのは喪主と決まっていました。また死者に供えた枕飯は喪主の妻が持つとされていたところもあります。

江戸時代までは葬儀は夜に行われたことが、松明が先頭に立つことでわかります。村の辻で柩を回したり、帰路は往路と道を変える、埋葬に使用した鍬、草履を捨ててくるなど、死霊が家に戻らないようにと、さまざまな呪法も行われました。

現在では霊柩車の使用もあり、本格的な葬列を見ることはなくなりました。寺院に入場する際に寺門から斎場まで、霊柩車に遺体を納める際に自宅または斎場から霊柩車の位置まで、墓地に納骨する際に寺院から墓地まで、と部分的に葬列を組む習慣を残しているところもあります。また、葬列は組まないものの、葬列の役割を発表する習慣だけを残ししているところもあります。

今、火葬場に向かう霊柩車、マイクロバス、ハイヤー、自家用車の列を「葬列」と称することもあります。

〇湯灌

湯灌とは納棺する前に遺体を洗い清めることです。遺体を洗い清める習俗は世界各地に見られます。古い湯灌の形は、病院での看護師による死後の処置(清拭)の登場によりほとんど姿を消し、現在、都市部で行われている「湯灌」は、巡回老人入浴サービスから転じた業者の新しいサービスです。

古い湯灌は、盥に水を入れておき、それに湯を加えた温水を用いて遺体を洗浄しました。

通常適温にするのにお湯に水を加えますが、これと逆の方法をとるので「逆さ水」と言います。作法としては、新しい杓を用いて遺体の頭から温水をかけるというのもありました。

近世以降は、男性の血縁者が茶碗酒(湯灌酒)をひっかけながら行うとか親族の女性が行うなど、近親者の役割とされてきました。しかし古く中世には、湯灌は聖と呼ばれた宗教者が行ったと言われます。中世末期までは湯灌は授戒や剃髪と一連の作法で、死者の霊魂を浄化するために行ったとされています。湯灌の作業中に、読経または念仏が行われたこともあります。

湯灌には、座棺に納棺しやすいように死後硬直を解くという実用的効果もあったと思われます。

〇魂呼び

「魂呼び」は人が死亡したとおもわれたとき、死者の枕元で、あるいは屋根に登って、または井戸や海に向かって死者の名前うぃ呼ぶ習俗です。「タマヨバイ」「ヨビカエシ」などとも言います。

市花田身体から霊魂が離れることと理解されていましたから、身体から遊離していく霊魂を呼び戻すことによって死者の蘇生を願うと共に、その死を確認し、死者を愛惜する儀礼と考えられます。

〇食い別れ

葬儀においては飲食が重要な意味をもっています。例えば「通夜振る舞い」と言われる通夜の飲食、出棺に際して(最近は、葬儀式に先立っての場合も多い)の「出立ちの膳(ワカレノシ、タチメシ、ナキワカレなどとも言う)」、火葬後の「精進落とし(精進上げ、忌中祓い、お斎など

とも言う)」があります。

飲食は人間の交わりを象徴するものですから、死者と食事を共にすることによって、死者と最後の交わりをし、別れを行ったものと考えられます。したがって、こうした飲食の席では、しばしば死者用にもお膳が用意されます。神と食事をすることで神の力をわが身に取りこむ、神人共食の観念が影響しているとの考えもあります。

今では、死者の供養のための振る舞いや、葬儀を手伝ってくれたり、わざわざ参列してくれた人へのお礼の意味が強調されていますが、以前はそうした意味に加えて死者との食い別れという性格が色濃くあったものと思われます。

また、飲食は、死者の魂を鎮め、死の穢れに対抗し、これを祓う力があると信じられていたようです。柩を担ぐ人、湯灌をする人、納棺をする人、墓穴を掘る人、こうした人々は死穢に強く染まるとかんがえられ、しばしばこうした役割を担う人へはご馳走が振る舞われました。

四十九日の忌明に作る「四十九(日)餅」は、他界に転ずる死者の霊との最後の食い別れとも、忌明を期した清めの意味があるとも言われます。

〇耳塞ぎ、年違え

近隣の者がしんだとき、死者と同年齢である者は死の穢れに染まりやすいということで、これを回避するための習俗です。

「耳塞ぎ」とは、餅などで耳を塞ぎ、死の知らせを聞かないようにすることです。ミミフタギなどとも呼ばれ、その餅は後で変わるにながしたりしました。鍋などで耳を塞ぐこともあります。また、ただ単に一度手で耳を塞いでから、その後で死の知らせをきくというところもあります。同年齢者はできるだけ会葬しないで、どうしても会葬するときは耳に餅を挟んで行くところもあります。

「年違え」は豆を食べて年を取り越し、死者とは同年齢でなくしてしまう習俗です。

〇イヌハジキ、イガキ、イキツキダケ

墓地に青竹を囲って覆ったり、垣根を作ったりすることがあります。犬が墓地を荒らさないように作るものだと「イヌハジキ(犬弾き)」と言ったり、忌みが外にでないようにするためと「イガキ(忌垣)」と言ったり、さまざまな表現があります。「モガリ」と称することもあります。

土葬した墓があらされないようにという意図もあったでしょうが、四十九日の間は死霊は荒らぶるもので、これを封鎖しておくという意味もあったと思われます。

また、墓の周囲に49本の卒塔婆をめぐらし、中に霊屋を置くのを「四十九院」と言います。都率天の宝殿を模したもので、真言宗の都率天往生信仰と殯の習俗が結合したものと思われます。

古代の殯は遺体を小屋に安置して白骨化を持つ、いわば風葬でしたが、土葬になってその名残りが埋葬地にこうしたものを作らせたと思われます。火葬が普及するにつれ、こうした習俗は減少しています。

また、埋葬地に石を置き、その後ろに竹を突き刺すこともあります。これは死者が生き返ったときに息をつくためだとして「イキツキダケ」とよばれます。

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香典

「香典」はかつて「香奠」と書きました。「香を供える」という意味です。これから転じて、香を買う代金である「香典」「香資」「香料」になりました。仏教民俗学者は、墓に香花(=樒)をささげた、また宗教学者は、六種供養(仏を供養する華・塗香・水・焼香・灯明・飲食の6種)に由来する、と説明しています。

農村部において香奠とは、長い間、米などの食料をもちよることでした。その後、都市では明治期に金銭香奠が一般的になりましたが、地方では大正期あるいは昭和初期からのことです。戦前までは米などの食料香奠で、貨幣経済が発達するようになって、金銭香奠が一般的になりました。

 

〇香典の意味

食料香奠の由来は、仏教的には、香が「仏の食べ物」という意味から転じて「食料」になったものとも考えられますが、現実的には葬儀で食事の振る舞いが盛んにおこなわれたことに求められます。葬家では死者の成仏を願い、滅罪するための布施として、人々に食事を振る舞いました。現在でも「ホトケの供養になるから」と食事の席に連なることが求められるのはこのためです。

振る舞いのための食料を用意する必要から、親族は多量の食料を提供しました。これが「親族香奠」です。親族香奠は、故人との血縁の親疎に比例して出したと説明されています。

また、近隣の人々は自分たちの食する分をもちよりました。これが「村香奠」です。現在でも、親族の香典は多額で、近隣の人々の香典は、多大な労力を提供していたぶん少額なのが一般的です。

葬儀を出すと近隣に人々に振る舞いをしなければなりませんでしたが、これは多額な出費となりました。喪家やその遺族の負担は大きく、貧しい家では「葬儀を出せない」という事態もでて、香奠はそうした状況に対応する総合扶助としての意味ももっていました。

今でも地方の古い家には、前の自分の家で葬儀があったときにその家が出してくれた香典と同等のお金をおくるということがおこなわれており、これは地域社会におけるギリ(義理)の1つであり、義理を返すことは総合扶助精神の表れでもあったのです。

 

〇香典の「相場」

太平洋戦争の敗戦直後は社会が経済的に疲弊していたこともあって、葬儀の香典および香典返しは経済的負担が大きいと批判され、新生活運動が引き起こされる原因ともなりました。今でも、近隣の人は一律500円とか、1,000円などと取り決めているところがあります。また地域の慣習によってことなりますが、香典には、取り決めまではなくても、一般的な「相場」が存在します。例えば、それは次のようなものです。

バブル期には、この香典相場が跳ね上がるとともに、その幅も大きくなりました。その結果、今では相場は次のようになっています。

・近隣の人     3,000円~5,000円

・一般の会葬者   5,000円~10,000円

・関係者      10,000円~30,000円

・親族など     10,000円~50,000円

・家族       50,000円~100,000円

かつては、仏事には偶数は使わないといわれたこともありました。しかし、1万円の次が3万円では上がり幅がおおきいということで2万円という額も出現しています。また、「香典の相場は結婚披露宴のお祝いの半額」との俗説もあります。これは、披露宴では食事や引き物が出るが葬儀では焼香するだけだから、というのが理由になっているようです。しかし、東北地方などでは葬儀・告別式後の精進落とし(お斎)に招待されている人は20,000円~30,000円の香典を包むものとされているところもあります。

各種調査によると、香典の平均金額は現在、約7,000円といわれています。

 

〇香典の上書き

仏教葬儀の場合、四十九日までは「御仏前」と書くのが正しいとされ、極端にはどの宗教でも葬儀の香典は「御霊前」と書いてよい、との説明がされることが多いようですが、これは俗説で、誤りです。

浄土真宗では亡くなった方は即浄土に往生したのであり、「霊」はみとめていませんので「御霊前」は用いません。また、「特にこだわらない」とするものの、曹洞宗などの禅宗では教義に「浄土」はありませんので「成仏以前」という考え方もなく、「御仏前」とするのが一般的です。死者に香典をだすのではなく「本尊である仏様に捧げる」という意味であるなら「御仏前」になります。

キリスト教でもカトリックは「御霊前」を許容していますが、プロテスタントでは否定しています。

こうしたことから言えば、「御香奠(香典)」「五香資」「御香料」は中立的な表現になります。また、キリスト教で、「お花料」、神道で「御玉串料」「御榊料」とするのは、「御香料」などと同じ使い方です。しかし、会葬者の立場に立つと、かならずしも葬家の宗教・宗派を理解したうえで会葬するとは限りませんので、自らの宗旨で上書きを選択してもよいでしょう。

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告別の方法

葬儀・告別式その他で故人とお別れをする場合、仏教葬儀では焼香が一般的で、キリスト

教葬儀や無宗教葬では生花の献花が一般的です。また、神葬祭では玉串を用いて拝礼します。

仏教葬儀でも、宗派によって焼香の仕方が異なります。また、キリスト教葬儀であっても、

カトリック教会やルーテル教会では焼香も認められており、必ずしも献花と決まっていま

せん。

 

[天台宗]

回数については特に定めがない。

[真言宗]

通常3回、仏・法・僧に供養すること、身・口・意の三密修行に精進すること、戒香・定香・解脱香といって、自らが戒律を保ち、心の静寂を求めることができる功徳がある、と説明される。

[浄土宗]

特に定めがない。「真心をこめて一心に」で1回、「身を静めて1回、心を浄めるのに1回」で2回、「仏・法・僧への帰依」「過去・現在・未来の衆生に回向」で3回など。

[臨済宗]

回数にこだわらないが通常1回

[曹洞宗]

回数にこだわらないが通常2回

[日蓮宗]

通常3回。仏・法・僧の三宝供養とも、「空・仮・中の三諦」にならうとも言われる。

 

ここまでの宗派の場合には、香を額に戴いて(自分の口より上にして)焼香します。

 

[浄土真宗]

あくまで自分の心身を清めるためとも説明され、香を戴くことはしない。本願寺派(西)では1回、大谷派(東)では2回とされている。焼香を用いる場合には本数を気にせず、たてないで横にする。

 

焼香については、その宗派の作法に合わせるといる考え方と、会葬者自らの宗派の作法に合わせるという考え方があります。儀礼を執り行っている宗派に合わせるというのは、その宗派を尊重して行うことであり、自らの信ずる宗派に合わせるというのは会葬者の信教の自由を尊重するということになります。最も望ましいのは、「日蓮宗ではこうしますが、それぞれ信ずるところにしたがって行ってくださってけっこうです」とすることでしょう。クリスチャンの中には「どうしても自分は焼香したくない」と、焼香せずに頭を下げて黙祷する人もいますが、会葬者それぞれが判断することですから、信教の自由を損なうことのないよう注意しましょう。

キリスト教にも献香などがあり、焼香は必ずしも仏教だけのものではないとの考えから、カトリック教会やルーテル教会でも焼香が行われることがあります。その場合焼香の仕方、回数に特に定めはありません。

弔問者が大勢のときは、たとえ宗派で回数が定められている場合であっても、丁重に1回焼香するようにします。

 

最近、献花でのお別れが増える傾向にあります。仏教葬儀でもホテルなどを会場にする場合、会場側の要請で焼香を献花に替えることがあります。

キリスト教では告別式で献花によるお別れをしますが、これは日本独自のものです(墓地での献花は欧米でも行われます)。また、献花には特に決まった方式があるわけではありません。一般には献花台の横に立った奉仕者から花を一輪受け取り、茎を先にして花が手前になるように献花台に置きます。

無宗教の場合にも献花が多く、一般にはキリスト教の献花を模していますが、中にはオアシスを用意しておき、各自がそこに花を挿すなどさまざまな工夫も見られます。献花に用いる生花には、白菊や白のカーネーションなどが多いようですが、これも決まっているわけではありません。

 

神葬祭では玉串拝礼を行います。

玉串奉奠は、神職から玉串を受け取ったら、

1.玉串は胸の高さに、左手で葉を下から支え、右手で榊の根元を上から、やや左高に少し肘を張ってもちます。

2.神前の玉串案の前に進み、深く頭を下げます。

3.玉串の先を時計方向に90度回し、左手を下げて根元をもち、祈念をこめます。

4.右手で玉串の中ほどを下から支え、玉串をさらに時計方向に回しながら、根元を神前に向け、左手を離して右手の下に添えます。

5.やや前に進んでそのまま玉串案の上に奉奠します。

 

拝礼は、二礼して、音を立てないように二拍手し、一拝します。通常、神社や神棚に参拝するときは拍手するときに音を立てますが、葬儀の時は両手で打つ寸前で手を止め、音をたてない拍手をします。これを「しのび手」といいます。

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葬儀・告別式

古くは、自宅での出棺の儀礼後、葬列(野辺の送り)を組んで葬場に行き、葬儀式を行い、火葬または土葬をしたというのが一般的であったと思われます。葬列がなくなって、自宅での儀礼と葬場での儀礼が一体化したことにより、現在の葬儀・告別式が誕生しました。

葬儀(葬儀式)は死者をこの世からあの世に引き渡す宗教的な儀礼であり、告別式は会葬者が遺族に慰めの言葉を寄せ、一人一人焼香または献花して死者に別れを告げる儀式です。したがって、葬儀式は宗教儀礼であり、告別式は社会儀礼であると位置づけることが可能でしょう。

ところが、現代にあっては参列者が忙しい、火葬の時刻が定まっているなどの理由から、葬儀式と告別式の同時進行が一般的となりました。葬儀式の最中に会葬者による告別の焼香が行われるようになり、告別式の位置づけが強まり、逆に葬儀式の位置づけは弱まる傾向にあります。社会儀礼としての告別式の位置が高まることにより、遺族が会葬者への答礼に忙しくしていることが多いことで、「何のための葬儀か」という批判も起きるようになっており、葬儀式と告別式のあり方については再考を要する時期にきています。葬儀式と告別式の機能の違いを充分に配慮したいものです。

そのなかで、大規模葬儀に見られる「密葬-本葬」方式、最近流行の「密葬-お別れ会(偲ぶ会)」方式は、機能から見れば葬儀式と告別式を分離して行おうとするものと理解できます。

 

〇葬儀・告別式の流れ

仏教式の葬儀・告別式の一般的な流れを以下に示します。

①一同着席

⓶導師入場・開式

③葬式作法(読経、引導)

④式辞・弔辞

⑤焼香・読経

⑥導師退場・閉式

⑦一同退場

➇お別れの儀※骨葬では行われません

⑨棺搬出※骨葬では行われません

⑩遺族代表挨拶

⑪出棺(霊柩車出発)※骨葬では遺骨の見送り

①~③(あるいは④)までが葬儀式部分、④(または⑤)~⑦が告別式部分です。葬儀式と告別式は多くの場合は同時並行で進行されがちです。③の儀式作法が行われている最中に時間節約のため焼香が行われることがありますが、できれば避けたいものです。④の式辞・弔辞は自宅葬などの場合には省略されることもあります。式辞は、弔詞、式文とも言いますが、葬儀委員長による故人への弔いの表明です。導師が式辞を述べる場合もあります。また、弔電が紹介されるのはこの後です。⑧のお別れの儀は、遺族・関係者が棺を開け、花などを入れるなどして遺体と最後のお別れをします。

⑩の遺族代表挨拶は、出棺を前にして会葬者にお礼の挨拶をすることです。すでに火葬を済ませている場合などには、遺族代表挨拶を⑤または⑥に引き続いて行い、遺骨退場を見送って散会することもあります。葬儀委員長による挨拶を遺族代表挨拶に代えるところもあります。

焼香は遺族焼香に引き続き参列者焼香、一般焼香の順に行います。遺族焼香、参列者焼香を指名で行うことがあり、これを「指名焼香」「呼名焼香」と言います。式場前に設けられた焼香所で開式前から一般焼香を受け付け、会葬者は焼香を終え次第、出棺を見送らずに帰路につく地域もあります。これは一般弔問を別に受け付けていると考えるのが適当でしょう。一般会葬者、火葬場まではいけない葬儀参列者は出棺の見送りまで行うのが一般的です。

開式に先立ち、または閉式後、僧侶、遺族が式場に入場(退場)する際に略式の葬列を組むことがあります。僧侶を先頭に位牌、柩または遺骨、遺族の順に入場(退場)するのが一般的です。

 

〇葬儀・告別式の準備

①受付の設定、門標、会葬御礼品(粗供養)、花環(または樒)や生花の準備をします。

⓶門前、式場、祭壇の掃除をします。

開式1時間半前までに①、⓶の作業を終えるようにします。

③遺族・関係者と最後の確認を行います。

1.当日の日程、時刻の確認

2.弔辞の確認

3.弔電の扱い方

4.焼香順位、名前を呼ぶ場合には肩書き、名前の読み方の確認

5.供物、供花の扱い方、配置順の確認

6.席順の確認

7.火葬場同行者の人数、車の確認

8.会葬礼状、会葬返礼品の内容、数の最終確認

9.役割の確認(会葬者への答礼、受付、案内、車、警備など)

10.葬儀後の会食の確認

11.その他(心づけの扱いなど)

④僧侶など式執行にあたる宗教者との打ち合わせを行います。

1.飾りつけの確認

2.式進行の確認

3.当日の日程表(時刻表)の確認

4.その他注意すべきことの確認

⑤式辞・弔辞を述べる人と打ち合わせします。

1.紹介する肩書き、名前の確認

2.時間の確認(1人が話す時間は3分が原則、400字詰め原稿用紙にすると2枚程度。前後の移動時間を入れると合計5分)

3.動線、動作の確認

⑥霊柩車、マイクロバス、ハイヤーの再確認を行います。

⑦料理の手配の再確認をします。

⑧音響装置その他の設備の確認をします。

⑨現場の点検を行い、準備に問題がないか最終確認をします。

1.計画通りに準備ができているか

2.天候などの関係で補う点はないか

3.危惧される点がないか

 

供花は、全国的には花環または生花、中部・関西地方などでは花環の代わりに樒(しきみ/しきび)が用いられます。関係者から供花の申し出がありますが、この扱いについては事前の確認が必要です。供花や供物を辞退するという遺族もいますから、供花をそもそも受け付けるのか、受けた場合の生花の種類、贈り手の名前の表示など、事前に確認しておく必要があります。式場によっては置き場所の制限もあります。

生花や花環などの供花の配列順はしばしば問題になります。勝手に判断しないで遺族の考えに従って行うことが必要です。最近では、芳名板にアイウエオ順で贈った人の名を一括して提示する方法がとられることもあります。また、生花代金を祭壇や式場内外の装飾花の作成費用にあて、供花してくれた人の名は芳名板に一括して記す方法を採用することもあります。

最近は、生花祭壇のデザインはもとより供花の生花のデザインに対しても消費者の感覚が鋭くなってきています。葬祭業者および協力する生花業者はデザインの研鑚に励む必要があります。「なまもの」の樒や生花は売り切りですが、花環は造花ですから、最近は売り切りではなくレンタルが多くなっています。

 

戦後、高度経済成長の波に合わせるように葬儀・告別式の演出も多様に行われるようになり、またそれに対して消費者や宗教者からさまざまな意見が出るようになりました。

音楽の使用は一般化しています。開式前、弔辞や一般焼香の場面、出棺などで使用され、専用のCDも販売されています。また、故人の人となりを知らせるために、ナレーションテープやビデオも使用されます。故人の趣味である詩歌、音曲の使用を希望されることもあります。柩退場時にスモークや照明を用いる、出棺の際に鳩を飛ばす、など演出方法も多彩です。葬儀の演出については、さまざまな考えがあります。けっして押しつけるのではなく、よく説明し、遺族の意見、寺院等の意見をよく聞いたうえで行う必要があります。特に葬儀式は宗教儀礼として厳粛に行う必要があり、寺院等の意見を必ず聴取する必要があります。

 

出棺に先立って、遺族・関係者による遺体との最後の対面が行われます。この場面は最後の別れのときであり、遺族の愛惜の気持ちが露出し、動揺するときですから、その気持ちに配慮して慎重に対応しなければなりません。急がせられたという印象を与えないように注意する必要があると同時に、切り上げる時を明確にする必要もあります。

棺にいれる生花は「別れ花」とも言われます。通常は飾られていた生花を入れやすいように小さく分け、おぼんに載せて準備し、係員が遺族・関係者に手渡しします。

棺の蓋をした後、釘打ちをすることがあります。昔は蓋が外れて遺体が外に出ないように縄で縛りましたが、いつの頃からか蓋を釘で止め、それに遺族が参加して小石で釘を打つという習俗ができました。死霊が外に出ないように封じるという死霊に対する恐怖感のなせるものであったと同時に、また、石には呪力があると信じられたことから死者を悪霊から守るために行うとも考えられています。遺族自ら釘を打つことで死者の蘇生を断念するという意味もあったでしょう。しかし、遺族の心理を考えると釘打ちをすべきでないとする意見もあります。釘打ちをする場合には、葬祭業者がまず金槌で半分打ち、その後遺族が血縁の順に小石で軽く2回ずつ打ち、最後に業者が金槌で封じるのが一般的です。

 

葬儀・告別式の後に出棺して火葬するという順番が一般的ですが、葬儀・告別式に先立って火葬する習慣の地域もあります。東北地方を中心にして全国各地に散在しています。葬儀・告別式に先立って火葬することを「骨葬」と称しています。

骨葬地域では、本通夜に先立って火葬する地域もあります。午前中に出棺して火葬に付し、午後から葬儀・告別式を行い、その後菩提寺に行き納骨(埋骨)するのが一般的ですが、葬儀・告別式で遺体との別れができないから変えようという動きがあったり、遺族の考えも変わる要素になります。

また、山梨や長野の骨葬地域の一部では、葬儀式に先立って一般会葬者による告別式が行われることがあります。これは一般会葬者を待たせないこと、葬儀式の参列者は終了後ほぼ全員が法要とその後の会食(お斎)に向かうという実用性から生まれたものです。

 

出棺の際、遺族代表による挨拶が行われます。一部の地域において、葬祭業者が挨拶を代行しその泣かせる技を競ったこともありましたが、望ましいことではありません。喪主あるいは遺族の一員に、短くとも自分の言葉で挨拶するようアドバイスするのがよいでしょう。 出棺の際に位牌を手にするのは伝統的に喪主の役割とされています。

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飾りつけ

最近、通夜が告別式同様に会葬者の弔問を受ける場に変化してきたことから、通夜でも葬儀・告別式と同じ祭壇を飾ることが多くなってきましたが、かつては通夜のときは祭壇を飾らないというところもありました。もともと通夜は、遺族にとって死を完全には受容したとは言いきれないことから、正式の祭壇を飾ると死をはっきり認めたことになるというので避けられたようです。香典を持参せず「お見舞い」とする、なども同じ理由によります。

歴史的には、自宅では棺の前に枕飾りを置いて死者を守り、葬儀当日に出棺、葬列を組んで寺院や火葬場に赴き、葬列も道具である野道具を立てかけて葬儀をしました。この枕飾りと野道具の飾りの合体が現在の祭壇と考えられます。したがって、通夜のときには棺の前に枕飾りをそのまま、あるいはそれを多少手直しした程度の飾りつけですませたのです。

近年は斎場(葬儀会館)で葬儀を行うことが多くなりましたが、葬儀などを寺院で行うときには自宅には「自宅飾り」を、寺院では別に「寺飾り」と称する飾りつけを行うところがあります。尚、飾りは宗教宗派や地域によって、また遺族の考えによってもかわるものですから注意と確認が必要です。

 

〇祭壇・祭具の搬入

1.祭壇・祭具はふだんから整理し、きれいにしておきます。

2.搬入前にきちんと道具が揃っているか、傷やよごれがなくきれいになっているかを確認します。

3.道具は原則として宗派に沿った物を用意します。

4.搬入する前に搬入路を確認し、ぶつかる恐れのある物はどけておきます。

5.必要に応じて、搬入口などに傷をつけないように、ダンボールなどで保護処理をとります。

6.搬入の際に落としたりしないよう、注意深く搬入します。

7.搬入したら、作業の邪魔にならないように部屋の隅に置きます。

8.搬入、組み立ては白手袋を着用して行います。

 

〇祭壇・祭具の組み立て、配置

1.組み立て位置、大きさ・高さを現場で再確認します。

2.畳などを傷つけないようにシートをきちんと敷きます。

3.基礎から順に組み上げ、平行になっているか、中心がずれていないか、緩みがないかに注意します。

4.祭具も中心から対称になるように配置します。

5.本尊については、寺院から指定ある場合はそれを用い、宗派を確認してまちがいのないようにします。

6.本尊は丁寧に扱い、画鋲で留めたり、また、何かで遮らないようにします。

7.組み上げた後、平行になっているか、中心が合っているか、左右が対称になっているか、祭具の位置が正しいか、などを落ち着いて点検します。

8.柩は礼節を尽くして、ていねいに所定の位置に移動します。移動前と移動後には深く一礼して合掌します。柩は原則として頭部を北または西向きにします。

9.経机を配置し、燭台、香炉、花立てなどを調えます。

10.作業中、柱、壁、ふすま、天井その他を傷つけることのないように注意します。

11.作業中は私語を交わしたりせず、てきぱきと作業を進めます。

12.作業中は足の踏み場のないように散らかしたりせず、一つ一つ整理しながら進めます。

13.作業後、片づけをし、清掃します。

14.作業が終了したら、遺族に確認してもらい、式前には必ず僧侶にも確認してもらいます。

キリスト教、神道による葬儀の設営にあたっては、宗教者の意向を確認し、必ず宗教者の確認を得る必要があります。

 

飾り付けも、最近では祭壇飾りだけでなく、門前、庭、式場への通路、その他式場全体の飾りが多くなっています。特に戦後になって葬祭業者や葬具販売業者が工夫、開発してきたものです。どういう飾りを行うかは、費用の問題もありますし、遺族の希望や感性の問題もあります。また、宗教儀礼として行う場合には、その宗教宗派に合うことも考える必要があります。

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喪中のご挨拶

喪中は年賀状を出さないというしきたりがありますが、皆さんはどのようにして周りの人にその事を知らせていますか?恐らく殆どの人は「新年の挨拶は控えさせていただきます」と喪中ハガキを出しているのではないでしょうか。

問題はどの程度の範囲の人にまでその事を知らせるかです。自分の友人にはともかく仕事関係のみの付き合いの人に喪中であることを知らせるかどうか…中々難しい問題ですよね。

喪中と言えども、年賀状を出すかどうかの判断はその場その場に応じて変化させればいいと思います。年賀状を出さずに寒中見舞いにしてもいいですし、または例年通りこちらから年賀状を出してもいいでしょう。

喪中ハガキというものは必ず出さなければならないという物ではありません。
自分の立場や相手の立場も考慮して出すかどうか検討してみてくださいね。


お布施の不思議 (お布施って何?お布施って必要なの?相場はどれくらい?)

お布施今回は、葬儀や法要で準備しなければならない『お布施』について、本来の意味とあり方、相場について考えてみたいと思います。

お布施の意味・・・
布施は菩薩(悟りを求めて修行する人)が行うべき6つの実践徳目の一つとされており、執着心を離れてなされるべきものとされています。お布施には大きく3種類あります。

(1) 法施(ほっせ)  仏法の教えを説き、精神的な施しを行うこと。僧侶の務めにあたります。
(2) 無畏施(むいせ) 困っている人に親切にしたり、不安や恐れを抱いている人に安心の施しをすること。
(3) 財施(ざいせ)  出家修行者、仏教教団、貧窮者などに財物などを与えること。「仏教の教え」への感謝を表し施すこと。皆さんがお布施としているのはこちらの意味のものですね。

葬儀において、僧侶は読経(法要)を営み、遺族はそれに対して感謝して財施で応えるものですが、法要はビジネスではなくあくまで法施であり、遺族側も法要への対価としてではなく、財施として行うのがお布施なのです。ですから、「お経料」「戒名料」はふさわしくなく、「お布施」とするのが正しい考え方ということになります。

お布施の歴史・・・
このお布施、いつ頃からの考えなのでしょうか?古くは皇族が領地(荘園)などを寄付することからきたようですが、庶民がお布施として財物を施すようになったのは、やはり寺院と檀家の結びつきが強まり、キリシタンではないことを証明する寺請制度(17世紀後半)あたりではないかと思われます。

お布施の相場・・・
現在は、お寺と遺族の結びつきが少ないため、お布施の金額が分かりづらいのですが、お寺や自らの経済的事情を考えつつ、相応の金額を包む必要はあるようです。わからない場合はやはり直接寺院に確認するしかありません。しかしながら、自分なりに「精一杯」という気持ちが伝わる金額でいいのです。

関東と関西では法要の内容(関西はお月参りがある)が異なるため、一度あたりの金額は関東のほうが高めなようですね。直接葬儀社に確認する方法もありますが、基本的にお布施のやりとりに葬儀社が介在するべきではありません。ですが、ご葬儀などでお寺を紹介する場合はご案内させて頂きますし、ご不明な点はお問い合わせ下されば、出来る限りのアドバイスをさせて頂きます。

ご葬儀 普通戒名・・40~50万円(関東)・・・30~35万円(地方)
ご法要・・・・・・・5~7万円(関東)・・・(地方)3~5万円

高額なお布施で自らを苦しめてしまうことになれば、やはり遺族も故人様にとっても辛いことでしょう。ご遺族でよく話し合ってお布施について考えてくださいね。


葬儀に参列する際のアクセサリー

jueru--300x199お葬式に参列する際、アクセサリーを付けてもいいのか…と悩まれている方も多いのではないでしょうか?

一般的に悲しみを表現するお葬式の場ではアクセサリーを付けることはNGとされています。

しかし、最近では涙を表現しているということから真珠のアクセサリーはOKという風潮になってきています。

実際、お葬式に真珠のアクセサリーを付けてくる女性も多くなってきたように思えます。

ただし、一つだけ注意する点があります。
真珠のネックレスを付ける際には必ず一連の物を身に付けるようにしましょう。

二連以上だと「悲しみを繰り返す」という意味があるので、周りの人を不愉快にさせてしまうことがあります。

マナーとは周りの人を不愉快にしない為に行うものですので、その場その場に応じた装いを考えて行く事も大切なことなのです。


死後のお名前、戒名とは

戒名-300x148亡くなった人に付けられる戒名。何の為に、誰が付けるのか疑問に思ったことはありませんか?戒名は死後の世界へといった故人があの世で安心して暮らせるようにお坊さんから付けて貰える名前です。

生きていた時と違う名前を頂くことによって、死後の世界に修行に行けるようになる…という仏教の考え方に基づいた風習です。

死後の世界に行く=修行、と考えていない宗派は戒名を必要としなかったりと多少の差はありますが、大体の故人には付けられると考えていいでしょう。

戒名料が掛かるのを嫌い戒名を付けないで葬儀を行う方もいらっしゃいますが、代々お付き合いのあるお寺様がいる場合は、規則により戒名を付けていないとお墓に入る事ができないこともありますし、代々ご先祖様が付けていたのに、その文化をいきなり変えるいうのもご先祖様に申し訳ない気も致します。様々な考え方はありますが、皆様は戒名についてどの様な想いがありますでしょうか。